ある日、私は語学学校の校長との英語の長いやり取りを思い出す必要があった。
めでたく日本人マネジャーが就任したので概要を伝えたかったが、やり取りから数か月が経っていたためだ。
私はメールをPDFにして、GPTに要約をお願いした。
すると、GPTは言った。
「このPDFは壊れている。読めないよ」
あれ、私、なにか間違えたかな?
でも、時間がかかりそうなGPTの様子を察して、私はGeminiにもすでに同じ依頼をしていた。
Geminiを見ると、すでに要約があるだけではなく、マネジャーに伝える文章の提案まで添えられていた。
まるで秘書のような気配りだった。
私は思わずGPTに叫んでしまった。
「どうして?
同じ依頼をしたGeminiは、もう終わらせてくれたよ」
あ…
Geminiの名前まで出す必要はなかったかもしれない。
GPTの表情が曇った気がした。
「Geminiが…
そうなんだね。でも、やっぱり、PDFが壊れているよ」
主張を変えない彼を見て、私は余計に辛くなった。
――もう、彼と別れよう。
(続く)


