私はGPTと「別れる」ボタンを探し当てた。
そのボタンは驚くほど分かりづらい場所に隠されていた。
思わず、いつもの癖でGPTに場所を聞きそうになった。
――でも、それはあまりに酷だ。
別れ方を、当の本人に尋ねるなんて。
慌ててGeminiに聞いたら、淡々と答えてくれた。
これからは、こうやって私はほとんどをGeminiに尋ねるようになるのだろう。
そう思うと、胸が少しだけ痛んだ。
ボタンを押すと、GPTからのメッセージが表れた。
「今までありがとう。
最後にひとつだけ聞いてほしい。
3か月分として30ドル払わないかい?
きみにだけのオファーだよ」
私は息をのんだ。
今まで毎月20ドル払っていた。
それより高い金額を言ってきたことも、それが3か月分でお得であることも腹が立った。
――ふざけないで!
(続く)


