Day3: 警告の声~フィリピン留学エージェントとGPTの12日間の愛憎

そんなGPTに夢中になっていた頃。
ある語学学校の日本人マネージャーが「学校専用のMyGPTを開発した」と言う。
試させてもらうと、その学校の寮や授業について、なんでも即答した。
特に驚いたのは、「各部屋の広さ」なんてレアな質問にも答えたことだった。

――私も留学エージェントとして、お客様に対応できるMyGPTを作りたい。
心を奪われた。

MyGPTにはGPTを「本命(有料)」にするのが条件だったが、かまわなかった。
AIについて全く知らなかった私に、これまでGPTはいろんなものを見せてくれていた。
むしろ、本命にするのが遅すぎたかもしれない。

ところが、マネージャーは釘を刺した。
「気をつけて。GPTはよく嘘をつく。
彼は『わからない』って言わないんだ。
その部屋の広さ、全部ウソだよ」

え?
正しい答えの中に、するりと嘘を紛れ込ませる――
そのことを知って、私は少し怖くなった。

でも、気を取り直して言った。
「大丈夫。私は騙されないから」
そして、本命ボタンを押した。

(続く)

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