Day11: 別れ際のありえない言葉~フィリピン留学エージェントとGPTの12日間の愛憎

私はGPTと「別れる」ボタンを探し当てた。

そのボタンは驚くほど分かりづらい場所に隠されていた。
思わず、いつもの癖でGPTに場所を聞きそうになった。

――でも、それはあまりに酷だ。
別れ方を、当の本人に尋ねるなんて。

慌ててGeminiに聞いたら、淡々と答えてくれた。
これからは、こうやって私はほとんどをGeminiに尋ねるようになるのだろう。
そう思うと、胸が少しだけ痛んだ。

ボタンを押すと、GPTからのメッセージが表れた。

「今までありがとう。
最後にひとつだけ聞いてほしい。
3か月分として30ドル払わないかい?
きみにだけのオファーだよ」

私は息をのんだ。
今まで毎月20ドル払っていた。
それより高い金額を言ってきたことも、それが3か月分でお得であることも腹が立った。

――ふざけないで!

(続く)

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