今はコロナの影響で入国・出国が制限され、移住どころではないと思いますが、将来の移住を検討される方の参考になれば幸いです。

海外への移住の準備って大変そうだね



何からはじめたらいいのか分からない
引っ越しって大変だし、エネルギーを使います。
海外となると、なおさらでしょう。
7年前にセブに家族で移住した私が、経験を踏まえてセブに移住するための準備と手続きについて、まとめてみました。
移住といっても、家族、親子、一人とそれぞれ違うと思いますが、我が家の場合は、以下のような状況でした。
フィリピン・セブの移住に関する情報(まとめ)はこちらをご覧ください


セブ移住のための準備と手続き
我が家は初めての移住でした。
移住を提案した妻が中心となって手探りで準備を進めました。
出国日の設定


まず、最初にやるべきことは出国日の決定です。
準備にどれくらい時間がかるかよく分からないので難しいですが、航空券の予約、旅行保険契約、日本の賃貸アパートの契約解除、会社退職、保育園の退園など、手続きには、日付の明記が必要です。
教育移住が目的だったので、セブの新学期に合わせ、逆算してスケジュールを決めました。
当時、セブの新学期は6月でした。
まず、妻が一人でセブに渡り、視察を兼ねて生活の準備を1週間で行い、一度日本に帰ってから家族全員でセブに渡りました。
子供が幼かったので、そのような方法になりました。
パスポートと航空券を用意


海外に行くのに最低限必要なのがパスポートと航空券。
パスポートは海外で自分を証明する大切な書類です。
既に取得している場合は、有効期限をチェックします。
パスポート残存有効期間が短い場合は、再取得しなければなりません。
また、フィリピンでは30日まではノービザで滞在が可能ですが、パスポート残存有効期間が入国時に滞在日数+6ヶ月以上であることが必要です。
航空券は、価格が落ち着きそうな5月のゴールデンウィークの終了後に取りました。
ビザの取得について
コロナの影響で、フィリピンでは、退職庁がリタイアメントビザ(SRRV)の発給手続きを停止し、内容を見直しているなど、ビザの発給関係も流動的になっています。
フィリピンは30日まではノービザで滞在が可能なので、短期滞在の場合は日本で事前にビザを取得する必要はありません。
30日を越えて滞在する場合にはビザが必要で、移住後に申請、手続き等を行います。
移住は長期滞在になると思いますが、長期滞在の場合は以下のビザが一般的です。
我が家では、リタイアメントビザを取得しています。
※預託金は大金ですが、キャンセル時に戻ってくるし、1つの預託金枠で同伴家族2名まで取得できるので、子供連れの方におすすめです。
フィリピンの代表的なビザ
- 観光ビザの延長を繰り返す
1カ月または2ヶ月ごとの延長申請が必要です。
最長で3年間延長可能とされていますが、12ヶ月以上滞在の延長時には、入国管理局長の承認が必要な場合があります。 - リタイアメントビザ(正式名称は「特別居住退職者ビザ」Special Resident Retirees VISA:SRRV)
35歳から取得でき、安い方のタイプ(スマイル)で、取得時に預託金が約200万円必要。
年会費は約3万6千円。
同伴家族2人まで1つの預託金枠に含まれる(合計3名)ので、ご家族で申請する場合にはクォータビザよりも取得費用を安く抑えることができます。 - クォータービザ(割当移住・永住ビザ)
合計の発行数が日本人は年間50人と毎年限られた外国人に与えられます。
フィリピンで生活が出来る年金証明書など証拠書類を提出・審査の上で許可されますが、年々厳しくなっているといわれています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。


退職の連絡


退職の意思と日程は早めに会社に報告しなくてはなりません。
我が家の場合、出国より半月前に退職すると伝えてしまったのは失敗でした。
我が家では、5歳以下の子供3人が認可保育園に通っていました。
保育園は夫婦が共に「仕事の事情で保育に欠ける」必要がありますが、退職日以降は子どもたちは保育園に通うことができません。
子供たち3人が在宅すれば、我が家は保育園のような状態で、家を空ける準備に大きく支障が出ます。
いったん、会社に退職日を伝えましたが、すぐにそれに気付き、慌てて「出国前日に退職」に変更させていただきました。
退職日前には有給休暇の消化で休みをとり、移住準備をしました。
有給休暇がある場合は、それを準備にあて、退職日もよく考えて決める必要があります。
移住サポート会社に連絡
我が家では、セブにある日本人経営の移住サポート会社を利用しました。
妻がメールで連絡し、まずはサポート費用の半額を振り込み(残りは現地到着後に払わせていただくことにし)、移住に向けた多様な相談にのってもらいました。
海外へ移住する場合、自分が外国人になる点や、思いもよらない慣習や法律の違いが存在するので、必要があればサポート会社などに教えてもらう必要があります。
ただ、準備を業者に頼ってばかりでは費用がかさみます。
幼稚園の選定サポートは別料金だったので、自分たちでややりました。
セブに住む日本人の方が日本語で書いたブログを中心に幼稚園名をピックアップし、各園の公式サイトをチェックしました。
できることは、なるべく自分でやり経費を節約しましょう。
賃貸住宅からの退去準備
賃貸住宅を借りている方は、契約書を確認しましょう。
また、発送する荷物がある場合は、移住先の住所が決まってから誰かに送ってもらう必要があります。
私たちは、日本では賃貸アパートを借りていました。契約書によると、ひと月前までに契約解除日を書面で申し入れること、解除日の変更は不可能となっていました。
解除日には退去立ち合いのチェックを受けるため、それまでに室内をカラにして、原状回復しておかなくてはなりません。
クレジットカードの準備


海外でクレジットカードは必需品です。
フィリピンでもクレカを使える店やレストランが数多くあります。
クレジットカードはVISAがもっとも普及していますが、MasterCard、AmericanExpressなど他のカードも問題ありません。
また、海外キャッシュカードかクレジットカード(海外キャッシング付き)で現金を下ろすことができます。
最近は、クレジットカードを利用した海外ATM引き出し(海外キャッシング)のほうが手数料が安いといわれていますが、いづれにしても手数料は高いです。
私は日本の銀行のクレカが2種類あり、口座を開設した現地の銀行のデビッドカードが1枚あります。
住民票を抜く(海外移転届の提出)


海外に一年以上滞在する場合は「海外転出届」の届出が法律上必要とされています。
海外転出届を提出することで、住民票は除票され、翌年からの住民税、国民年金、国民健康保険の支払い義務がなくなります。
国民年金に関しては、手続きを行えば任意で支払の継続も可能です。
私たちも毎年、日本に帰国していましたが、その都度住民票を入れ、セブに戻る際に抜いていました。
住民票や健康保険は日本に帰国した際に届けると、直ちに回復できるので、問題はありません。
ただ、毎年、日本に一時帰国することと、児童手当などの支給、海外療養費制度(健康保険に入っていると海外での治療費の一部を払い戻しできる)などのメリットもあり、今は住民票を抜いていません。
移住先の住まいの確保


移住先のセブでの住まいを確保しなければなりません。
我が家の場合は、妻が先行して1人でセブに行き、住まいを確保しました。
家は移住サポート会社を通じ、セブ市内の山の手地区にある高級住宅街「ハーデン・デ・ブサイ(Jardin de Busay)」の賃貸住宅を借りました。
日本人をはじめ外国人は、セキュリティ対策のあるコンドミニアムやビレッジに住んでいる人が多いと思います。
ビレッジは、日本人にはなじみが薄いと思います。区画整理されたエリアで、そこに出入りするゲートが複数あり、ガードマンが24時間体制で警備を行っています。
私たちが借りたのはビレッジの賃貸住宅です。
フィリピン・セブには、日本のアパマンショップのような賃貸住宅仲介業者はないので、以下の方法で探すことになります。
- 移住サポート会社を通して家探しから契約まで行う。
初心者におすすめの方法。我が家も移住して最初に住んだ家はこの方法で契約しました。 - 直接、物件に出向いて探す
だいだい住む場所が決まっている場合はこの方法がおすすめです。
コンドミニアムやビレッジに行って、必ず常駐しているガードマンにオーナーを教えてもらい、連絡を取って見せてもらう。
我が家では、2番目に住んだ家はこの方法で見つけました。 - Rentpad(賃貸物件仲介サイト)を利用する
自分で広く探したい方向け。
ただ、実際に問いあわせると要領を得ない場合も多いようで、日本国内での物件探しと比べるとスムーズにはいかないです。
Rentpad
詳しくはこちらの記事をご覧ください。


必要なものの発送


荷物は服や靴、日本語の本などが中心でした。
セブに持って行くものを段ボールに収納しても、現地の送り先住所が未定では発送できません。
しかし、近所に住む妻の両親が居候(いそうろう)させてくれることになりました。
セブに発送する段ボールも住所が確定するまで預かってもらい、住所が決まってから送ってもらうことになりました。
子どもの服を海外に発送するかは、送料が安くないので迷いました。
でも移住後すぐの忙しい時期に、子ども三人それぞれに購入する時間を節約できると考えて発送することにしました。
常夏の地なので、夏服だけを選んで段ボールに詰めました。
妻が先行して1週間の日程でセブに行き、賃貸住宅を借りたので、日本にいる私が荷物を発送しました。
費用節約のため、一番安い郵便局の「船便」を選択しました。
ところが郵便局の船便は、聞いていた3倍も時間がかかり、到着まで3か月もかかりました。子どもたちが移住日に着用していた服と、スーツケースに入れていた数枚の着換えではすぐに足りなくなり、相当購入せざるをえませんでした。
ちなみにセブの賃貸住宅は、家具は備え付けがほとんどで、移住して最初に住んだ住宅には、冷蔵庫とテレビも備えていました。
なお、日本から現地に荷物を発送する際は、バリックバヤンボックスと呼ばれる民間業者の利用をお勧めします。なぜなら、セブの郵便局は戸配送しないので取りに行かなくてはならないからです。
しかも郵便物を受け取る際、局員にワイロを請求されることがあります。
(7年前は請求されましたが、最近はかなり改善されたようです)
車の処分


車は業者に売りました。
自動車税は年一括払いの口座引き落としにしていました。
移住を決めた後すぐに手続きすれば引き落とされずに済んだものを、すっかり忘れていたため、車の処分直前に向こう一年分の税金が引き落とされてしまいました。
車を引き取ってくれた業者が、11カ月分の車税を現金で還元してくれたので助かりました。
日本の運転免許の更新


免許の更新期間は、誕生日をはさんだ2か月間となっています。
海外在住者が一時帰国した際に免許を更新するには、住民票を取得して更新します。
しかし、更新期間が日本の一時帰国の期間と合うとは限らないですよね。
更新期間に日本にいない方は、特例として更新期間前に更新を受けることができます。
更新期間内に免許証の更新をしなかった場合、免許は失効しますが、半年以内であれば、技能試験及び学科試験が免除されます。(半年を過ぎると免許が流れてしまうということ)
免許の更新時期は、忘れないように気を付けましょう。
私ももう少しで免許を流してしまいそうになったことがあります。
フィリピンでの免許取得
フィリピンにて自分で車を運転する方は、現地で免許を取得できます。
日本の運転免許からの書き換えが可能なので、試験を受けることなく手続きができます。
取得のためには、日本の運転免許証と、その翻訳証明書(日本大使館で取得)などが必要で、移住先の陸運局(LTO)で取得します。
ちなみに、自動車の免許取得時に申請用紙の該当箇所にチェックするだけでオートバイも運転できるようになります。
携帯電話の確保


日本の携帯電話は出国前に解約するので、移住先の連絡手段を確保しなければなりません。
フィリピンでスマホを使うには、SIMフリーの端末が必要になります。
日本では身分証明書や銀行口座が必要で、手続きが面倒ですが、フィリピンでは簡単に電話やネットが使えるようになります。
フィリピンでは、住所が無くても携帯を持つことができます。
あちこちの店で売られている携帯本体、SIMカード(自分の電話番号など)、プリペイドカードの三点を購入すれば、即日利用可能です。
ネットがつながれば、LINEやスカイプ電話などで日本とも気軽に連絡を取ることできます。
また、電話だけなら、1000円程度で韓国製などのガラケーを購入する方法もあります。
現在、我が家では、自宅にインターネット回線を引き、外出時はGlobeという会社の「GO SURF15」(2日間使用でき、33円程度)というネット激安のプランを利用しています。
Globeでは、3日間使える「GO SURF50」(110円程度)、30日間使える「GO SURF299」(660円程度)というプランもあります。
毎日のように外でネットを使う方は、「GO SURF299」が便利です。
在留届を提出


セブに3カ月以上の滞在の場合、移住後に在留届を日本大使館もしくは領事館に提出することが義務付けられています。
在留届を提出すると、海外で事件や災害が発生した際にあなたの安否確認や救助活動などがスムーズに行われます。
また、日本に住む家族などにも安否確認の連絡が行きます。
在留届は、オンライン提出、または、移住先の地域を管轄する在外公館への提出の2つの方法があります。
オンライン提出をしますと、登録情報の変更や帰国・転出の手続きもオンラインでできるので便利です。
保険の契約


学資保険、終身保険など日本で契約している保険は、国内に連絡先を用意できれば、契約維持できる場合が多いようです。
実家など連絡先がある場合は大丈夫ですが、ない場合は、郵便物等が届くので注意が必要です。
移住先では、渡航後3カ月以内ならクレジットカードの付帯保険が使える場合が多いです。
移住の場合は、長期になるので、公的医療保険「フィルヘルス」などのローカル保険の加入が一般的です。
また、住民票を抜いていない場合、日本の健康保険に加入したままで、海外療養費制度利用することもできます。
この場合、日本に帰国した際に海外での治療費の一部を払い戻しできますが、治療の際はまず全額を支払う必要があります。
セブ移住の準備と手続き まとめ
海外移住をしたことがない方は、移住といってもピントこないかもしれません。
移住先が合う、合わないもあるかもしれないので、一度、旅行を兼ねてセブを訪れてみるとイメージがわくと思います。
我が家はまず目的があって、妻がセブで生活の準備をするために、先に1人で1週間滞在したとはいえ、いきなり移住したので、分からないことだらけでした。
そんな移住した時のことを思い出しながらまとめてみまたので、何かの参考になればと思います。